整骨院の開業資金調達、助成金を知らずに公庫750万円だけで開業した私が今なら見直すこと

開業・経営

経営計画書という書類を、開業前に見たことすらありませんでした。真っ白な用紙を前に、何を書けばいいのか分からず手が止まった夜のことを、いまでもよく覚えています。

この記事では、2014年に開業したときに実際に利用した融資と、いまになって「知っておけばよかった」と感じている助成金の話、そして開業後に経験した追加融資まで、正直に書きます。読み終えるころには、融資の面談で何を聞かれるのか、経営計画書をどう準備すればいいのか、助成金をどこまで調べておくべきかが具体的に分かるはずです。

結論から言うと、開業資金の調達で大事なのは「面談前に経費と収入のシミュレーションを固めておくこと」と「自治体の助成金まで含めて調べ尽くすこと」です。私はこの2つを怠り、あとになって後悔しました。

根拠は、日本政策金融公庫からの融資だけで開業し、助成金は一切使わずに済ませてしまった私自身の経験です。うまくいった部分だけでなく、知識不足で損をした部分も含めて書きます。

自己資金ゼロ、公庫からの750万円だけで開業した

開業資金の調達方法は、日本政策金融公庫からの750万円の借入、これ一本でした。修業時代の給与が安く、自己資金はほとんど貯められませんでした。

内訳や開業資金全体の金額については整骨院の開業資金は総額いくら?2014年開業の実額内訳と、かけすぎて後悔した項目に詳しく書いていますが、初期費用と運転資金を合わせた約920万円のうち、現金ベースで必要な約740万円をこの融資でまかないました。自己資金がほぼゼロの状態からでも、事業計画がきちんと説明できれば融資を受けられる、という実例として参考にしてもらえればと思います。

経営計画書の書き方が分からず、面談前から苦戦した

融資の申請で最初につまずいたのは、経営計画書でした。それまで、そうした書類を書いたことは一度もありません。何をどこまで書けばいいのか分からないまま、見よう見まねで作成しました。

面談では、毎月の経費がどれくらいかかる見込みか、資金の使い道は何かを、かなり詳しく聞かれました。内装にいくら、機器にいくら、運転資金はどのくらい見ているのか。数字の根拠を、その場で具体的に説明できるかどうかが問われている感覚がありました。

正直に言うと、当時の自分は数字の詰めが甘いまま面談に臨んでいました。聞かれてから慌てて考える場面もありましたが、それでも融資自体は受けられました。ただ、あらかじめ数字を固めて臨んでいれば、もっと落ち着いて話せたはずだと、いまでも思います。

助成金は「知らなかった」というだけで使わなかった

いちばん後悔しているのは、助成金・補助金を一切使わなかったことです。理由は単純で、そうした制度があることを知らなかったからです。

日本政策金融公庫の融資は、開業を考えて情報を集めるなかで自然と知りました。一方、自治体の創業助成金や小規模事業者向けの補助金は、当時の自分の視界にまったく入っていませんでした。情報を積極的に取りに行かなければ、存在すら知らないまま開業してしまう。そういう制度は他にもあるはずです。

融資は返済が必要なお金ですが、要件を満たす助成金・補助金は返済不要なお金です。使わずに済ませてしまったのは、単純にもったいなかったと感じています。

コロナ禍の追加融資と、信用金庫からの借入

開業後の資金調達についても触れておきます。コロナ禍の時期には、公庫から追加の融資を受けました。売上が読みにくい状況のなかで、運転資金を確保できたことは経営を続けるうえで助けになりました。

また、公庫だけでなく信用金庫からも融資を受けた経験があります。開業時は公庫一本でしたが、事業を続けていくなかで、複数の金融機関と関係を持っておくことの大切さを実感しました。取引先が一つしかないと、その金融機関の判断に経営が左右されやすくなります。

いまならこうする、資金調達で伝えたいこと

振り返って伝えたいことは2つあります。

1つ目は、助成金は都道府県・市町村のものまで含めて、しっかり調べ尽くすべきだということです。国の制度だけでなく、開業する地域独自の創業支援策が用意されていることも少なくありません。商工会議所や自治体の窓口に相談してみる価値は十分にあります。

2つ目は、経費や収入のシミュレーションを固めてから、公庫の面談に臨むべきだったということです。面談では、経費の見積もりや資金の使い道を具体的に聞かれます。数字の根拠をあらかじめ自分の中で整理しておけば、面談そのものがずっとスムーズになるはずです。

まとめ

開業資金は、自己資金ゼロの状態から、日本政策金融公庫の750万円の融資だけでまかないました。経営計画書は書いたことがなく苦戦しましたが、面談では経費と資金の使い道を具体的に聞かれ、なんとか乗り切りました。

一方で、助成金・補助金は知識がなく一切使わず、いま振り返るともったいなかったと感じています。開業後はコロナ禍の追加融資や信用金庫からの借入も経験し、複数の金融機関と関係を持つ大切さも学びました。

これから開業する方には、助成金まで含めて調べ尽くすこと、そして面談前に数字のシミュレーションを固めておくことをお勧めします。物件選びの実例については整骨院の物件選び、内見時13万円が契約直前に14万円へにも書いていますが、資金調達も物件選びと同じく、開業準備のなかで後悔しやすいポイントの一つだと感じています。

なお、この記事は私自身の経験に基づく内容です。融資・助成金の制度や要件は時期や地域によって変わるため、実際の申請にあたっては日本政策金融公庫や商工会議所、税理士など専門家に直接確認することをお勧めします。

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