整骨院のスタッフ採用と離職、受付6人を採用し4人に辞められた私が気づいたこと

開業・経営

受付スタッフから「辞めます」と切り出された夜、シフト表を前に固まったことが何度もあります。次の面接まで、どう回せばいいのか。引き継ぎは間に合うのか。患者さんに変な空気を感じさせていないか。整骨院の経営で、スタッフの離職ほど消耗する悩みはないと感じています。

この記事では、開業から受付スタッフを6人採用し、そのうち4人に辞められた私が、辞める前に見えていた兆しと、実際に何に困ったかを具体的に書きます。読み終えるころには、離職を完全にゼロにはできなくても、次に同じことが起きたときに慌てずに動くための見立てが持てるはずです。

結論を先に言うと、離職の多くは「スタッフ間の人間関係」が原因でした。そして辞める人は、辞める前に決まって口数が減っていきます。この2つに気づけるかどうかで、対応できる余地は大きく変わってきます。

根拠は、14年間、実際に現場でスタッフを採用し、見送ってきた経験そのものです。数字も含めて、包み隠さず書きます。

開業から6人採用し、4人に辞められた

開業してから今まで、受付スタッフとして採用したのは6人です。そのうち、いまも働いてくれているのは2人。残りの4人には、辞められました。

一時期は3人体制でシフトを回していた時期もありますが、開業当初から働いてくれている1人以外は、全員入れ替わっています。決して定着率が高いとは言えません。

正直に言うと、開業した当初は、こんなに人が入れ替わるとは思っていませんでした。1人採用すれば長く働いてもらえるだろうと、甘く見ていたのだと思います。

辞めた理由の多くは「スタッフ間の人間関係」だった

なぜ辞めていったのか。理由はいくつかありますが、いちばん多かったのは、スタッフ同士の人間関係がうまくいかなくなったことです。

受付は、患者さんと接する時間が長いだけでなく、スタッフ同士で連携しながら動く仕事です。相性が悪いスタッフ同士を同じシフトに入れ続けると、少しずつ空気がぎくしゃくしていきます。本人が直接「辞めたい」と言い出す前に、まず職場の空気のほうが重くなっていくのです。

例えば、あるスタッフは、他のスタッフの仕事のやり方に不満を抱えたまま、それを本人にうまく伝えられずにいました。私が気づいたときには、すでに関係はこじれていて、間に入っても修復は難しい状態でした。

給与や待遇が理由で辞めたスタッフは、私の経験ではむしろ少数です。多くは、人と人との関係のもつれでした。

辞める前は、だんだん口数が少なくなる

離職には、共通する予兆があります。だんだん口数が少なくなっていくことです。

以前は雑談していたスタッフが、必要最低限の会話しかしなくなる。表情が硬くなる。休憩室での過ごし方が変わる。こうした小さな変化は、本人が「辞めます」と言い出すより、かなり前から始まっています。

ただ、正直に言うと、この兆しに気づけても、うまく踏み込めなかったことのほうが多かったです。忙しさにかまけて「そのうち落ち着くだろう」と流してしまい、気づいたときには本人の中ですでに結論が出ている。そんな流れを何度も繰り返しました。

いま振り返ると、口数が減ってきたと感じた時点で、一対一で話す時間を作るべきでした。人間関係のもつれは、本人からは言い出しにくいものです。経営者側から先に声をかけることでしか、拾えない不満があります。

スタッフが辞めると、実際に何が困るのか

離職が決まると、困ることは一つではありません。

まずシフトです。受付は最低でも1人は常時必要なので、抜けた分を残るスタッフでカバーしなければなりません。次に、次の担当者を採用できるかという不安です。すぐに条件に合う人が見つかるとは限りません。引き継ぎも簡単ではなく、電話対応や予約管理のクセは、マニュアルだけでは伝えきれない部分があります。

そして、地味に効くのが患者さんへの影響です。受付の雰囲気が変わったり、新しいスタッフの対応がぎこちなかったりすると、患者さんは敏感に感じ取ります。長く通ってくれている患者さんほど、その変化に気づきます。

離職は、辞めたスタッフ本人だけの問題では終わりません。残るスタッフの負担、採用コスト、患者さんとの関係まで、じわじわと影響が広がっていきます。

求人はハローワークからIndeedへ移した

採用のやり方も、開業当初とはずいぶん変わりました。

開業した頃は、ハローワークで求人を出していました。応募は来るものの、応募者の年齢層は高めで、採用の合否をハローワークに書類で報告する手間もかかります。

ここ数年はIndeedを中心に使っています。応募者と直接メールでやり取りできるので、面接前に勤務可能な曜日や時間帯を確認できるのが便利でした。応募数自体も、ハローワークよりIndeedのほうが多く集まっています。

一方で、Indeedは手軽に応募できる分、面接の連絡なしでキャンセルされることも何度かありました。応募のハードルが低いぶん、候補に挙がってから実際に会えるまでの歩留まりは、思ったほど高くありません。

いまの実感としては、応募数を集めたいならIndeed、じっくり見極めたい層に届けたいならハローワークも併用する、という使い分けが現実的だと感じています。

面接で見ていたのは、経験よりも人柄と条件

採用面接で重視してきたのは、これまでの職務経験ではありません。受け答えやコミュニケーション能力、基本的な礼儀作法、そして勤務可能な曜日・時間帯が院の条件に合っているかどうかです。

受付は専門資格が要る仕事ではないので、経験の有無よりも、患者さんや他のスタッフとどう接するかのほうが、働き始めてからの影響が大きいと感じています。シフトの条件が合わないまま採用すると、早い段階で無理が出てきます。

なお、施術者の採用は、これまで一度もしていません。開業からずっと、施術は私1人でおこなっています。その体制については一人開業の実務に詳しく書いています。この記事は、受付スタッフの採用・離職に絞った、私自身の経験の範囲です。

定着のためにやってきたこと

続けて働いてくれている1人は、開業当初からのスタッフです。この1人が長く続いてくれている背景には、いくつか意識してきたことがあります。

シフトの融通を利かせること。家庭の事情や体調で急に休みたいときも、できる限り調整してきました。こまめに声をかけること。忙しい日が続いたときほど、困っていることがないか、電話や会話で聞くようにしています。そして、受付対応のマニュアルを作ったこと。属人的なやり方に頼らない仕組みにしておけば、新しく入ったスタッフも早く馴染めますし、引き継ぎの負担も減ります。

これらをやったからといって、離職がゼロになるわけではありません。実際、4人には辞められています。それでも、何もしないよりは、関係がこじれる前に気づける確率は上がると感じています。

まとめ

開業から受付スタッフを6人採用し、4人に辞められました。理由の多くはスタッフ間の人間関係で、辞める前には決まって口数が少なくなるという予兆がありました。

離職が決まると、シフト・引き継ぎ・患者さんへの影響と、困りごとは一つでは済みません。だからこそ、兆しに早く気づき、こちらから声をかけることが大事だと感じています。

求人の出し方も、ハローワークからIndeedへと、時代に合わせて変えてきました。どちらが正解というより、応募数を集めたいのか、じっくり見極めたいのか、目的に応じて使い分けるのが現実的です。

スタッフの離職は、経営者にとって避けて通れない悩みです。完全になくすことは難しくても、兆しに気づき、早めに動くことはできます。開業時の資金計画については開業資金は総額いくら?にも書いていますが、人を雇う以上、採用と離職はその先ずっと付き合っていく経営課題です。

なお、この記事は私自身の14年間の経験に基づく一般的な内容です。就業規則の整備や、解雇・退職に関する具体的なトラブル対応については、社会保険労務士など専門家への相談をおすすめします。

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